健康と漢方について

大阪府和泉市の住宅街にある『松安堂薬局』は、中医漢方薬を取り扱う薬局です。代表の早田様は、30数年前に漢方の世界に引き込まれ、ご自身も血液と血管を正常にする冠元顆粒を定常的に服用されているとおっしゃいます。漢方をお店の主力に成長させた代表に、その魅力と薬局のあり方について語っていただきました。

漢方が選ばれ得る理由

漢方が選ばれ得る理由

女性を中心に、漢方への注目度は高まっていますが、お客様は女性の方が多いのでしょうか。

来店される方の約8割が女性です。若い女性の場合は不妊や生理痛、中年以降の女性は、旦那さんの気管支喘息、お子さんのアトピーなど、ご家族が患う慢性病の症状を気にかけて来店されている印象を受けます。

来店される方の多くが、病院に通院して改善されなかったことから、漢方を選ばれるケースです。

漢方を頼みの綱にされる方が多いのですね。

漢方医学は人間に備わる治癒力を高めること、西洋医学は病原を排除することに優れており、それぞれ性質はまったく異なります。

西洋医学は、症状そのものにアプローチしますので、病気に対する薬・手術法が開発されている場合に、最大の効果を発揮します。逆に漢方医学は、ピンポイントではなく身体全体のバランスを整えることを得意とします。急性症状の強い緊急を要するような症状では、手に負えないケースがありますが、体質改善を望まれる方には大変有効です。

私は、漢方と西洋医学は対立するものではなく、短所を互いに補完しあうことで、大きな結果が得られると考えます。

漢方を取り扱う『松安堂薬』の強み

漢方を取り扱う『松安堂薬』の強み

漢方治療は、体質を改善しながら症状を治すものですね。ところで、貴店ではどのような処方を強みとされているのでしょうか。

皮膚病や不妊症の方が多く来店されます。その方たちは体質改善を強く望まれていますので、長く服用できる商品をお薦めさせていただきます。例えば、松葉、クマガサ葉、朝鮮人参が原料の「松寿仙」という漢方薬がありますが、服用したからといって翌日から違いが実感できるわけではありません。
服用し続けると、滋養強壮の役割を果たしてくれますので、長年服用されているお客様からは「肩こりが楽になった気がする」「肌や毛髪が若々しくなった」というお声が多いですね。

最近、「なんとなく不調」という方が増えていますが、その方たちにはご自身の持っている免疫力を高めてほしいと考えます。
病気になってから対策するのではなく、漢方の力でこれからの病気を事前に防いでいただきたいですね。

店内にはいろいろなお薬がありますが、お客様に合ったお薬をどのような方法で選ばれているのでしょうか。

大切なのは初診です。お客様が来店されたら最初に、「脈診」「舌診」といって、体質、体内の各臓器に存在する活力エネルギーの状態を診ます。
特に、舌はご自身が気づかれていない体調までが反映される場所です。体調が良好のときの舌は、全体がきれいなピンク色をしていますが、衰退していると舌の色やコケのつき方が変化します。

また、風邪ひとつをとっても、病状の長さや種類によって治癒方法が異なりますので、寒気で熱があるのか、熱くて熱があるのか…など、こと細かに確認します。環境が変わる中で、急性、熱性病の原因や症状も多様化していますから、処方にも反映しなければなりません。

『松安堂薬』が取り扱う中医漢方とは

『松安堂薬』が取り扱う中医漢方とは

医療は日進月歩と言いますが、漢方も進化しているのですね。

おっしゃる通りです。漢方には「日本漢方」と「中医漢方」の二種類がありますが、当店は中医学に基づく「中医漢方」を扱っています。

中医学は、欧米でいう西洋医学のようなもので、中国では最もポピュラーであり発展している医学です。つまり中医漢方は、時代とともに発展を遂げている薬というわけです。

中医漢方の特徴を教えてください。

日本漢方が症状に対して薬を当てはめるのに対し、中医漢方は数学の方程式のように、薬を公式に当てはめて調合します。

例えば、AさんにはBという薬が効いても、Cさんには効かないケースもありますが、中医漢方は薬を足し算・引き算しながらアレンジできるので、幅広い症状に応用することができます。つまり、あらゆる年代層や症状に合わせて、オリジナルの漢方を作ることができるというわけです。

先ほど、環境に合わせた処方のお話をしていただきましたが、中国で生まれた漢方が日本人にも効くのでしょうか。

おっしゃる通り、中国で行われている処方をそのまま日本に持って帰っても、日本人の体質や環境には不相応と言えます。しかし、日本で販売されている漢方薬は、中国で日本人向けにアレンジして製造されています。

「製造が中国なので不安」という声も耳にしますが、製造および品質管理に関する厳しい基準が、薬事法により義務づけられているので安心です。実際、私も北京の工場に足を運んだことがありますが、非常に清潔だったことが印象に残っています。

現代の【薬局】のイメージについて

現代の【薬局】のイメージについて

パーソナルに合わせて調合でき、安心感も高いなんて、漢方はすばらしいですね。しかし、敷居が高いというイメージがまだまだ払拭されません。

確かに、先日来店されたお客様も「いつも前の道を通っているけれど、敷居が高くてなかなか入れなかった」とおっしゃっていました。その方には、一ヶ月あたりの価格帯をご説明し、松寿仙を試飲していただいたのですが、「この味、価格だったら続けられる」と通ってくださるようになりました。

このように実際に来店されると、漢方に対するイメージが変わられるお客様が非常に多いように感じます。

漢方をより身近に感じていただくために、実践されている取り組みはありますか。

来店された方に、漢方薬をお茶がわりにご提供するほか、女性の方に身近に感じていただくために料理教室を開催しています。この企画は女性の方から非常に好評で、お客様以外にも多くの方たちが足を運んでくださっています。

また、季節ごとに新聞を発行しています。講演会と新聞発行は、薬局を開設する上で最もやりたかったことで、開設時の昭和58年から継続的に行っています。

漢方の魅力とは

漢方の魅力とは

30年もの間続けてらっしゃるのですね。最後に、早田様にとっての漢方の魅力をお教えいただけますか。

私が漢方に出会ったのは、管理薬剤師として薬局で働いていたときに、たまたま参加した漢方の勉強会がきっかけでした。

当時、西洋医学の処方しか知らなかった私にとって、漢方の考え方はとても衝撃的でした。勉強会で教鞭を取られていた先生が、漢方の専門学校を設立されるということで、即刻申込んだことを今でも覚えています。学校で勉強を積むと、漢方の世界にどんどん引き込まれました。

西洋医学の場合、鼻は鼻、目は目というように、パートごとに細分化されています。しかし、人間の体はつながっているわけですから、体全体のバランスを整えるという漢方の考えは、大変真っ当であると感じました。振り返ってみると、私が誰よりも漢方のすばらしさを体感しているからこそ、現在も続けられるのだと思います。

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